カルシウムを摂るだけでは骨粗鬆症予防はできない理由

カルシウムを摂るだけでは骨粗鬆症予防はできない理由

骨密度が低下し、骨がスカスカになって骨折しやすくなる「骨粗鬆症」。放っておくと寝たきりになって介護が必要になるなど、深刻な事態になるといわれている病気です。

しかも、患者の数は男性よりも圧倒的に女性が多く、なんと全患者数のうち80%が女性だといわれています。他人ごとではないですよね? 

今のうちから予防したいものです。さて、「骨粗鬆症対策=カルシウム摂取」と考える人も多いようですが、実はそれだけでは十分ではないのです。どういうことでしょうか?


骨粗鬆症になる仕組み

足、骨、関節痛、骨粗鬆症対策

骨は一度形成されると一生そのままだと思う人もいるかもしれませんが、実は骨も皮膚や他の組織と同じで新陳代謝を繰り返しています。

その際、血液中のカルシウム濃度が低下すると、濃度を一定量に保つために骨からカルシウムを放出することを「骨吸収」と呼び、このようにして骨から減ってしまったカルシウムを再び蓄えることを「骨形成」と呼ばれます。

このように「骨吸収」と「骨形成」が繰り返されて1年間に20~30%の骨が新しい骨に入れ替わるとされています。

ところが、年齢を重ねるごとに「骨吸収」と「骨形成」のバランスが崩れ、やがて「骨吸収」のほうが「骨形成」よりも多くなってしまうと、少しずつ骨のカルシウムが失われて「骨粗鬆症」になってしまうというわけです。


カルシウム摂取だけでは不十分なワケ

カルシウムを摂るだけでは骨粗鬆症予防はできない理由

「骨=カルシウム」だと思っている人も多いようですが、骨を構成する成分はカルシウムだけではありません。

他にも「コラーゲン」などのタンパク質、「リン」や「マグネシウム」といったミネラルなどで構成されています。さらに、骨の形成を助けるために「ビタミンD」、「ビタミンK」、「ビタミンC」なども必要です。

つまり、骨粗鬆症を予防するために一生懸命カルシウムだけを取っていれば大丈夫、というわけにはいかないのです。

ただ、厚生労働省の調査によると、カルシウムはさまざまな栄養素の中でも唯一、1日あたりの必要摂取量に達していないとされていますから、カルシウムはより意識して摂取する必要があるのは確かです。


積極的に摂取したい栄養素

カルシウムを摂るだけでは骨粗鬆症予防はできない理由

カルシウム

カルシウムは、日本人が必要摂取量を摂れていない唯一の栄養素だといわれています。しかも、カルシウムは骨や歯の主要な成分ですから、不足すると骨や歯がもろくなってしまいます。

一日あたり摂取することをすすめられているのは、成人女性で1日あたり650mgです。

牛乳ならコップ1杯にカルシウム220mg、ヨーグルトは1/2カップで120mg含まれています。桜エビなら大さじ2杯で120mg、ちりめんじゃこ10gで52g、他にも大豆製品なら、豆腐1/2丁あたり180mg、小松菜のおひたし1皿あたり120mgなど、さまざまな食品に含まれています。

これらの食品をうまく組み合わせて、一日に必要な摂取量を満たすことができるように意識しましょう。

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムと同時に摂取するとカルシウムが腸で吸収することを助けるはたらきがあります。

またビタミンDは、骨から血液にカルシウムが放出されることや、血液から尿へとカルシウムが排泄されるのを防ぐ役割もあります。厚生労働省によれば1日あたり5.5μg(マイクログラム)摂取することが推奨されています。ビタミンDを多く含む食材はイワシ・サンマ・サバなどの青魚やキノコ類、卵などです。

ビタミンDは、食品から摂取するだけでなく紫外線を浴びることにより体内で生成されます。ですから、適度に日光浴をすることも効果的です。

ビタミンK

ビタミンK は脂溶性ビタミンの一種で、骨に含まれている「オステオカルシン」と呼ばれるタンパク質を活性化し、カルシウムの骨への沈着を助けるはたらきがあります。

さらにビタミンKは、骨からカルシウムが流出することを防ぎ、石灰化する手助けもしてくれるのです。厚生労働省によれば成人女性で1日あたり250~300μg摂取することが推奨されています。ビタミンKを豊富に含む食材の代表的なものは納豆です。他にはほうれん草や小松菜、ニラやブロッコリーなどがあります。

リン・マグネシウム

「リン」や「マグネシウム」などのミネラルは、カルシウムとともに骨や歯の土台を作る大切な成分です。どちらも不足すると骨がもろくなる原因になります。

そのうち「リン」は不足するよりも過剰摂取に気をつけることが必要です。というのは、近年増えている加工食品やインスタント食品には添加物として「リン」が多く使用されており、過剰に「リン」を摂りすぎると逆にカルシウムの吸収を妨げてしまいます。

「マグネシウム」も、多く摂取すればいいというものではなく、「カルシウム」に対し「マグネシウム」が2:1という比率が望ましいとされています。マグネシウムはナッツ類や海藻類、大豆製品に多く含まれています。


バランスよく栄養補給して骨粗鬆症予防

カルシウムを摂るだけでは骨粗鬆症予防はできない理由

骨粗鬆症を予防するには、「カルシウム」を摂るだけでは十分ではないようですね。ここに取り上げた栄養素だけではなく、さまざまな食品をバランスよく食べることが骨粗鬆症の予防につながります。

今回は栄養素について考えましたが、それ以外にも骨の健康には、運動などによる適度な刺激や筋肉も関係しています。つまり食生活プラス生活習慣が大いに関わっているのです。

まだ若いからと油断せず、今のうちにバランスの良い食事と正しい生活習慣によって強い骨作りを心がけていきましょう!

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